この夏、小学生の娘がどハマりした、
Netflix映画、K-Pop Demon Hunters(邦題:KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ)。

世界中の子どもたちが夢中になっている理由
この映画、ただのアニメではありません。
何週間もNetflixグローバル視聴ランキング1位を獲得し続け、Netflix史上最も観られたオリジナル作品となりました。
サウンドトラックの曲はヒットチャート1位を取り、複数の曲がトップ10に何週間もランクイン。
カナダの小学校でも、子どもたちが毎日歌を口ずさんでいます。
物語は、3人の少女たちがK-Popアイドルとして活動しながら、実は悪魔を退治するヒーローでもあるというもの。きらびやかなステージと、闇と戦う姿、そして普通の女の子である側面も描かれます。
そこで描かれているのが、Shame(恥) というテーマ。
Shame(恥)というテーマ
ぺアレンティング専門家のDr. Becky Kennedyが、Instagramでこう投稿していました。
「この映画は、子どもとShame(恥)について気軽に話すための、すばらしい機会になる」
娘と一緒に映画を見ながら私も、カウンセリングで扱うような内容だな、と思っていました。
子どもを含め、誰もが感じたことのある、
「私がダメなんだ」
「こんな自分を知られたら、嫌われる」
という感覚….。
Shameって、なに?
ソーシャルワーカーであり、恥の研究者でもあるBrené Brown(ブレネー・ブラウン)は、Shameをこう定義しています。
“Shame is the intensely painful feeling or experience of believing we are flawed and therefore unworthy of acceptance and belonging.”
「恥とは、自分に欠陥があり、受け入れられる価値も、居場所を得る価値もないと信じることから生まれる、強烈に痛みを伴う感情や体験のこと」
ここで大切なのが、Guilt(罪悪感)とShame(恥)との違い。
Guilt(罪悪感)は「私は悪いことをした」という感覚。
Shame(恥)は「私はダメな人間だ」という感覚。
Shame(恥)は自分の存在そのものを否定します。だから、こんなにも苦しいんですね。
Shameは、からだが記憶する
専門家たちの研究によると、Shame(恥)の感情は神経系に深く刻まれます。
Dr. Joan Borysenkoは「毒のある植物を食べたときのように、Shame(恥)は身体に恐怖と嫌悪感を刻み込みます。それは私たちが生き延びるための仕組みだからです。」と説明しています。
Shame(恥)を感じたとき、
肩が緊張する
呼吸が浅くなる
胸が苦しくなる
これは、こころだけの問題ではなく、からだ全体の反応なのです。
なぜ、Shame(恥)は生まれたの?
進化の過程では、Shame(恥)にも役割がありました。
集団から追放されると、生き延びることができなかったので、
「これを知られたら、仲間外れにされる」という恐れが、人を守ってきたのです。
現代では、
「完璧じゃない自分」
「失敗した自分」
「期待に応えられない自分」
そんな自分を隠そうとして、Shame(恥)はどんどん大きくなっていきます。
特に日本で育った私たちは、「他人からどう見られるか」が重要視される、日本の恥の文化に強く影響されているかもしれません。周りの目を気にしすぎて、「私はここにいていいのかな」という不安を抱えやすいのかもしれませんね。
Shame(恥)の正体に気づくために
大切なのは、Shame(恥)がどんなふうに現れるか、気づくこと。
自己批判
完璧主義
人の顔色をうかがう
「どうせ私なんて」という言葉
これらは、Shame(恥)のサイン。
そして、Shame(恥)は「隠すこと」で強くなってしまいます。
「誰にも言えない。」
「自分でも認めたくない。」
そうやって心の奥に押し込めば押し込むむほど、Shame(恥)は大きな影となっていってしまいます。
安心できる場で、話してみる
Brené Brownは、こうも言っています。
“The opposite of experiencing shame is experiencing empathy.”
「Shame(恥)の反対にあるのは、共感されること」
つまり、Shame(恥)は、誰かに共感をもって聴いてもらえたとき、力を失います。
「そうだったんだね」
「それは辛かったね」
「あなたは悪くないよ」
そんな言葉と温かいまなざしの中で、Shame(恥)はゆっくりと溶けていきます。
映画から、日常へ
娘が何度も見ているこの映画。
「完璧じゃなくていい」
「弱さを見せてもいい」
「そのままで、あなたは大切な存在」
そんなメッセージを、
映画を観ながら、音楽を聴きながら、
普段から伝えていきたいなと思います。
あなたのShame(恥)は、何を守ろうとしているの?
もし今、あなたがShame(恥)に苛まれているのなら。
それは、あなたを何から守ろうとしているのでしょう?
「こんな自分を見せたら、嫌われる」
その恐れの奥に、
「つながりたい」
「受け入れられたい」
という願いが隠れていませんか?
安心安全な場で、あなたの想いを話してみませんか?
あなたの感じていることを、やさしい好奇心で一緒に見つめていく。
そんな時間が、こころとからだをゆるめる一歩になります。
カウンセリング・コーチングにご興味がある方は、20分無料相談からどうぞ。
あなたが、ありのままの自分に戻れる場所にいられますように。
今日も自分にやさしい好奇心を🌱
みずほ